「みんな(外国人滞在客のこと)、アフリカ(の人々、の意。以下同様)は困っているものだと思いながらこちらに接してくる。アフリカは外国人の金品を狙うもんだと思ってびくびくしている滞在客のことを、自分は好きになれない。一方で、アフリカは(モノを)持っていないだろうと、なんだかんだと分け与えてくる滞在客のことも、好きになれない。僕は一度も外国人からモノをもらったことは無いんだ。僕は、友達として話しかけて欲しいのに。」
困る困らないは自分たちの問題で、自分たちでなんとかしなければならないことだとも言っていた。ちなみに、カムランの日給は500CFA(約90円)。トーゴでの日々の生活に困らない、ぎりぎりの額である。
好奇心旺盛で地理の教師になりたかった彼は、外国人と話をすることが好きだ。しかし、「一緒に会話ができる人はほとんどいない」と、彼は下を向く。
「僕は、『理解』が欲しい。『理解』があれば、同じ人間として外国人もアフリカを見ることができる。『理解』が、少ない」
ケニアに何かを、とは期待しなかったナシムさんにも、同じ目線での会話を期待するカムランにも、尊厳を大切にする凛としたアフリカの風を感じた。
オバマ大統領の誕生に、アフリカに対する世の中の理解がほんの少しでも前進することを、私は期待したい。
写真はアフリカ南部、ボツワナの空。今回、本文と写真に直接の関係はありません。
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