2008/11/13(木) イラン~日記開設します【大村一朗】

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【アパートから望むアルボルズ山脈と、先月完成したばかりのミラード・タワー。スモッグのせいで冠雪はよく見えない】(撮影:大村一朗)
今日のテヘランの最高気温は12度、最低気温は6度。

日に日に寒さが厳しくなり、町の北部に連なるアルボルズ山脈の冠雪は、次第に山裾へと迫ってくる。
首都に初雪が舞い散る日もそう遠くない。

職場への車中、首都高の路肩に10メートル置きに黄色い砂袋が置かれているのに気づく。
中には塩が入っているのだと、タクシーの運転手が教えてくれる。

雪が降ったら凍結防止のためにこれを撒くのだそうだ。去年の冬は予想外に初雪が早く、塩撒きが遅れたため、首都高は大混乱に陥ったという。
「今年は用意がいいんですね」
「市長がいいとこ見せようと頑張ってんだ。5年後の大統領選を見据えてな」
「5年後じゃなくて、来年でしょ?」

「来年の大統領選は、アフマディネジャードが再選するから無理だよ」
「アフマディネジャード?このインフレと物価高で、再選なんてとても無理でしょう」

「景気が悪いのはテヘランだけの話さ。アフマディネジャードは首都より地方に財源を割いて、投資やいろんなプロジェクトを各州で立ち上げてる。地方じゃアフマディネジャードの人気はまだまだ高いよ」
アフマディネジャード大統領は毎回、巨額の投資といくつものプロジェクトを手土産に足しげく地方に通っている。大統領の全州行脚はもう何ラウンド目かに入っているはずだ。

首都テヘランでも、中央政界でも、最近頓に評価の厳しいアフマディネジャード大統領だが、彼はこの3年半、地方でせっせと種を撒いてきたのかもしれない。来年、アルボルズの山並みから雪が消える頃、果たしてその種は芽吹くのだろうか。

今日から、イランでの日常を、毎日少しずつ、この場を借りて日記形式で綴ってゆきたいと思います。
どうぞ、よろしく。

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