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【写真:経済的な生活苦は続く。この数年、物乞いの数が急増しているように感じる。乗り合いバスの発車を待っている間、乗客に向かって施しを求める女性。この女性は、おそらくは私に向かって器を差し出しているのだろう。だが、私の横には僧正が乗っているのだ。日本の人が想像する以上に敬いの対象である僧の真横で、このような行為に出るとは驚きである。さらにもっと驚いたのは、その僧正は、バスが動き出す10分以上もの間、彼女の存在を全く無視していたことである(そういう僧侶もいるのだ)】
外出禁止令が出ていた4ヵ月前、夜のラングーンの街は静まりかえり、その静かさ故に目が覚めたこともあった。
でも年の明けた1月半ばの深夜2時過ぎ、車の走る音や、時に遠くから聞こえてくる人の話し声で、ホッとした気になる。
ああ、ここに人の生活が戻ってきたんだな、と。

軍事政権がその牙を剥いた時、当たり前のことだが、真っ先に日常生活そのものが壊されてしまうんだ。
昨年9月の抗議デモの後、激減した観光客も少しずつだが戻ってきている。

ホテルの朝食のテーブルには、クリスマスや新年休暇の欧米人がビルマ観光の話題で花を咲かせている。
「1年間もよくビルマに滞在できましたね。ビザ更新を何度も繰り返しているのに、どうして怪しまれないのですか」
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