【写真:ロウソクの灯りで聖書を読む村人たち。カチン州・チン州・カレン州(の一部)では、仏教ではなくキリスト教が大勢を占める。とくに、人の移動が困難な地方では、そこが仏教国ビルマであるのが信じられないくらいの勢力がある。たとえばカチン州の田舎では、20戸ほどの村に異なる教会が3つあった(カトリック・プロテスタント・その他)
ある時、そのカチン州の山の中を歩いていたら、ギター・アンプ・テープレコーダー・簡易バッテリーを担いだ10人ほどの若い移動宣教隊に出会った。彼らは、山あいの村と村の間を数日かけて歩き続け、布教活動を続ける。自然環境の厳しい中では、民族意識よりも宗教的な繋がりの方が強いようだ。軍事政権は武力で、全国的にビルマ化・仏教化を推し進めようとしているが、信仰を持った人びとや民族意識をもった人びとを完全に抑えることはできない】
ビルマの人や日本人からよく聞かれる。
それは私自身も不思議に思っている。
よくもまあ入国禁止にならないものだと。
とくに昨年6月のアウンサンスーチー氏の誕生日に、国民民主連盟(NLD)の本部前で軍の公安関係者に囲まれて写真やビデオを撮られたときにはもう終わりだと思った(本連載第19~21回「6月19日の集会」を参照)。
また、9月のデモを先導した「88年世代グループ」の指導者ミンコーナイン氏の家に2度行ったとき、あるいは同グループのココジー氏との密会を通報されたとき、もう今後はビルマに入国できないと覚悟をしていた。
だが、いまだにビザは下りるし、ある程度の写真撮影の取材も続けられる。
~つづく~
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