リ・オギョンさん
リ・オギョンさん

 

ファッション、社会への不満そして希望 3
〈インタビュー2〉リ・オギョンさん 一八歳 1
平安南道平城(ピョンソン)市出身 一人っ子。父親は鉱山労働者だったが手足が凍傷で不自由に。母親は最近亡くなった。兄弟はいない。中国の親戚を頼って二〇〇七年秋に越境。
インタビューは同年一一月にキム・ヘギョンとリュウ・ギョンウォンが行った。
整理 石丸次郎

韓国ドラマ
Q:韓国ドラマについて聞かせて欲しい(注1)。朝鮮ではこっそり韓国ドラマを見るって聞くけど。友だちと一緒に見たりするの?
A: 今どきの若い子なら、誰だって韓国ドラマ見ますよ。

Q:どんなドラマを見たの?
A:女刑事が出てくるドラマを友達と見ました。他には『美女三銃士』とか、あとは、動物どうしが戦うやつとか、『人間劇場』です(注2)。

Q:朝鮮の映画より面白い?
A:韓国のはどれも生活感があって自然な感じがするから面白い。朝鮮の映画は初めから終わりまで思想教育じゃないですか。

Q:韓国ドラマの話を友達ともするの?
A:話はできませんよ。そんなことして韓国ドラマを見たのがばれたら、監獄に放り込まれて、何年も出て来られなくなるのに。朝鮮では韓国映画を見たことがばれた人はみんな、監獄行きですから。追放されて山のてっぺんで暮らすはめになるかどうかは、全部自分の口次第です。うっかり口を滑らすと、一緒に見た人まで監獄送りになるんです。
でも、こう言うとなんですが、韓国ドラマを見たからといって朝鮮がどうにかなるんですかね。韓国の当たり前の暮らしを撮ったものなのに。
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