話を聞いた誰もが、革命30周年という今日の日を肯定的に語り、現体制への支持を口にした。それは、今日この行進に足を運んだ多くの人たちの平均的な意見だろう。
もちろんそれは、30周年という盛大なセレモニーで、多くの群集に囲まれ、衛星ロケットを見上げながら、高揚した気持ちで外国人記者のマイクに向かって発せられた言葉であり、彼らが常日頃から、そして今後もずっと、そんな気持ちを抱いているとは言い切れない。政府もそのことを承知しているのは、革命記念日のデモ行進が、純粋なお祭りに変貌しつつあることからも明らかだ。
帰りに乗ったタクシーの運転手は、27歳、革命を知らない世代だ。マイクを持たない私の問いかけに、彼は革命への思い入れなど全くないと無関心に答えた。
イランでは、30歳未満が総人口の7割近くを占める。つまり、国民の7割が革命を知らない世代ということになる。今後、革命理念の更なる風化は避けられないという現実に対し、現体制がどのような舵取りを模索してゆくか注目したい。