せめて彼らが反省し、罪を認め、財産をすべて国民に返納し、億ションを去ってアパートに謹慎しているとでもいうなら、もっと同情票も集まりそうなのだが、あれはすべて演技。今年のオスカーは陳一家にこそ贈られるべきだという反論もおきてこよう( 台湾の政治家や商売人の演技力はいずれも甲乙つけがたいのだが )。
長男夫婦は先日高雄に買った億ションに引越し、両親が来るのを待っているといい、新居の日用品を買い求める途中にいきいきと新生活の抱負を語る二人からは、確かに反省の色は微塵もない。それどころか長男は高雄から立候補するのではという噂まで流されている始末。お父ちゃん陳水扁の拘留云々については来週再度地裁が判断を下すことになっているが・・・。

・ 台湾の景気はどうですかと、よくきかれる。正直言ってほんとうのところはよくわからないのだが、一月の失業率 5.31 %という数字が登場し、いささか深刻な事態がうかがえる。また増え続けていた台湾高速鉄道の利用者が昨秋より減少し始めて、乗車率が四割を切ったという。高鉄では役員報酬をカットする一方、13%の運行本数削減に踏み切った。

そうしたご時勢に台湾経済維持の切り札として馬英九総統が提出したのは「両岸経済合作架構協議」( ECFA = Economic Cooperation Framework Agreement )なるもの。中台間の本格的経済協力協定で、両岸版自由貿易協定( FTA )だと説明されている。

アセアン諸国と中国( 俗にいう“10+1” )のFTA設立交渉合意を受けて「このままでは取り残される」と危機感をもった台湾側の必死の打開策。野党から主権を売るものだと反発する声があがったことから、政府は労働力と農産物は枠からはずすと弁明に努めている。
・今日は六十二年目の二二八記念日。馬英九総統は高雄での慰霊祭に参加し、遺族の怒号のなか、15分にわたってあいさつをした。

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