取締りの保安員に追い立てられて荷物を持って移動するメットゥギ市場の女性たち。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)
取締りの保安員に追い立てられて荷物を持って移動するメットゥギ市場の女性たち。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)
「早く片づけろ」。どなり散らして路地商売を取り締まる保安員。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)
「早く片づけろ」。どなり散らして路地商売を取り締まる保安員。(2008年10月海州市 シム・ウィチョン撮影)

 

拡大する市場に大統制始まる 5 リュウ・ギョンウォン
住民の市場活動を抑えつける当局(承前)

■録音取材4
海州。二〇〇九年一〇月初旬。聞き手シム・ウィチョン。
路地で食べ物商売をしたといって、取締りにあった女性たちへの取材。

彼女たちは、いわゆる「メットゥギ(バッタ)商売」(注1)をしている、お金もなく力もない労働者の妻たちである。元手がないため、新たに拡張する公設市場へも出店できないのだ。
国家によって疎外されている貧しい女性たちは、当局のこの措置に憤りをあらわにした。

記者:(ここで)どうして、商売しちゃいけないんですかね?
女性1:おかげでこっちは大変だよ。
女性2:まったくだわ。暮らしていけないわよ。
女性3:路地で売るぐらいなんだって言うの。

記者:路地では、商売は許さないんですね?
女性4:そうなのよ、コルモクジャン(路地商売)をなくそうとしてるのよ。

記者:(公設市場で)朝から商売ができれば(取締りもなくなって)、さっぱりするじゃないんですか。
女性2:(国家は)そうやってイジメないと気が済まないのよ。貧乏人はさんざん痛めつけられて死ぬのよ。
女性4:みんながこうやって不満をまくしたてるのも仕方がない、(当局が)文句が出るようにするからだよ。(公設市場で)食べ物商売をできなくするからだよ。

記者:こうして毎日取締りに来るんですか?
女性4:何とか食べてこうと商売すれば追い立てられる。

記者:まったくですね。
女性4:一日にたった二〇〇〇ウォンも稼げないのに。

記者:目をつぶってくれてもいいじゃないか。なんで目くじら立てて貧乏人を追っ払うんでしょうね。
女性4:弱い庶民がやられるのよ。
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