「いいえ、まったくそんなことありません。大学の教員も商売でもしないことにはとても......」
思いもかけなかった話に、さっきとは違うものが私の胸を締め付けだした。

〈一体、この国の何がどうなったせいで、こんなとんでもないことになっちまったのかね?〉
何が正しくて何が間違っているのか、私の頭では到底判断できず、ただやりきれない思いばかりが募った。

「ヒョク君のお母さん。今は他のクラスもみんな同じような状況なんです。うちの学校も市内の他の学校もみな同じですよ。でも、教員も、その......、もらったものを食べて、外で商売をやってうまく稼いでるわけではないんですよ」
「え?」

私はてっきり、学校の外で何がしかの金を稼いでいると思っていた。
「教員というのは、朝から晩まで子供たちと一緒にいますよね。だから、商売する時間なんてあるわけがないでしょう?」
「それはたしかに......。でも、そうすると、こんなこと先生に言うことじゃないかもしれないけど、先生かうちのどっちかが飢え死にするしかないってことだわね。そうでしょ?
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