拡大する市場に大統制始まる 8 リュウ・ギョンウォン
「徴発/動員」の実態
経済の不振、矛盾は、単に商業の形態による問題だけではない。他の社会主義国とは違って朝鮮では、各種の「徴発/動員」という社会的な生産運動が、大きな問題点として存在する。
そこでは老若男女を問わず押しつけられる、文字通り「突き破れと言われれば、壁さえも突き破る」という無条件な義務意識だけが幅を利かせている。その実情を見てみよう。
次に引用する海州市ヤンサ洞のある人民班の掲示板の「お知らせ」を見ると、住民たちに課せられる供出がいろいろとあるのがわかる。
こうした収奪で運営される国家経済が、市場に比べてどれほど脆弱で競争力が弱いのか十分に想像できるだろう。
(以下引用)
お知らせ1
◆九/三〇――くず銅、くずアルミニウム一世帯につき、二〇グラム
――砂利を未だ納めていない世帯はバケツ一〇杯分(九/三〇縲怦黶Z/二)
場所――洞事務所
――一〇月一〇日までに 古紙、くずビニール数枚
お知らせ2
◆一〇/一一縲怦齡ェ午前一〇時まで 工事用基礎岩一つ 洞事務所
一九日(日曜日)玉砂利 バケツ三杯ずつ持参の上、軍用道路へ持って来てください。
(以上引用)
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