復活した還暦祝い、様変わりした結婚式 3
撮影 リ・ジュン、シン・ドソクら内部記者たち・北朝鮮のプロ写真師
(写真収集時期 2005~2008年)
解説 石丸次郎

3 結婚式 上
これらは、2 0 0 5年と2 0 0 6年に咸鏡北道の都市部でとり行われた3組のカップルの結婚式の様子を撮影したビデオから静止画に落とした写真と、2 0 0 8年1月にデジタルカメラで撮影されたある地方の農村の結婚式の様子だ。
読者の皆さんは、これらの写真を見て北朝鮮の結婚披露宴が「意外に豪華」だと思うかもしれない。食べ物が卓上に所狭しと並び、服装もこざっぱりしているようにみえる。

内部記者たちによると、結婚式は一応一生に一度のことなので、親は借金をしてでも、できる限り立派にしてやるのだという。今回紹介する結婚式では、食事や布団、チマ・チョゴリの準備、ビデオによる記念撮影など、合わせて5 0 0~1 0 0 0ドルぐらいがかかっているのではないだろうか。
結婚披露宴は家で行い、ホテルや食堂を借りて行うことは許されていないようである。「資本主義社会の退廃した消費文化に染まっている」として批判の対象になるのだ。

それでも特権層がホテルの宴会場を借り切って、それは豪勢な披露宴を開くことがあるという。
しかし、あの張成沢(チャン・ソンテク、金正日の実妹の夫)も、部下の結婚披露宴をホテルで盛大に催した件で反張勢力から激しく批判され、2 0 0 4年末から一時閑職に左遷されていたと言われる。
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