石丸:電気事情はどうですか?
A:電気は......、私の住んでいる○○はましです。それから両江道は最近は少し来ていますし、江原道の元山が少し来て、平壌が少し来ているでしょう。あとはひどいもの。

私は黄海道に人を迎えに行ったんですが全然。電気なんてまったく1秒も来ていませんでしたよ。お正月もなかったそうです。それで「こんな電気のない所でどうやって暮らせるんだ?」って訊いたんですよ。そしたら、「自分たちは鍛錬されているから大丈夫だ」って。
正月だってのにテレビも見れない。呆れますよ。

石丸:あなたの住んでいる○○は電気が少しずつ来るってことだけど、1日に何時間ぐらいですか?
A:よく来る時は夕方5時から夜10時まで来ます。それが一番よく電気が来る所で、その次は2時間の所もあるし。国家が投資してやる価値がある所だけです。

石丸:水道事情はどうですか? 今は水戦争(水の奪い合い)が起こってるって聞きましたが。
A:ええ。水道の水が出なくなってもうずいぶん経ちましたよ。

石丸:ずっとそのままですか。
A:ええ。
(注:北朝鮮では電力難でポンプが動かさせず、水道が止まってしまった地域が多い。)

石丸:ミサイル、朝鮮で言う人工衛星が4月5日に発射されたましたが、それについて朝鮮の人々はなんて言っていますか? 関心は高いですか?
A:自分が食べていくのもやっとなのに、そんなのことに神経を使う暇がいったいどこにあるっていうんですか? 興味もないし、なんでミサイルなんか撃たなければならないのか、そんなお金があれば人民にお米のひとつでも分けてくれればいいのにって、言ってますよ。
石丸:そうですか。

A:こんなことは列車の中でもバスの中でもお構いなしに言っていますよ。「朝鮮はもう駄目だ」なんてことも。
朝鮮の現状がそうじゃないですか。資本主義でもなけりゃ社会主義でもないし。その狭間で苦労してるじゃないですか。そういうことを今では庶民たちもみんな知ってるんですよ。

これぐらいのことは今では列車の中でもお構いなしで話していますし。それでも捕まえていったりもしません。ひそひそ隠れて話す分には大丈夫だし。
(このインタビュー、おわり)

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