■衝撃2 配給途絶世代の登場
世代交代の一方で、もうひとつの世代問題の衝撃が押し寄せている。
先軍政治は、一〇〇万の若い兵士たちの苦役の上に成り立っている。下士官から元帥に至るまで、軍法で兵士たちを抑えつけ、搾取し寄生している。
この欺瞞が向けられるターゲットは一八歳から二二歳ぐらいの若い兵士たちだ。朝鮮ではこの年齢帯の男子のおよそ半数が軍に服務する。
しかし青春時代の貴重な一〇年間を、空腹に耐えながら水桶を抱えて走り、夜には見張りに立ち、日中は野良仕事をして過ごせるような若い男は、もう朝鮮にもいなくなりつつある。
九〇年代初頭に生まれた「配給途絶世代」が、二〇〇八年からいよいよ兵役で入隊する年齢になり始めたのだ。この世代は栄養失調で多くが命を落とし、生き残った者も体は小さく細い。夫婦も子供を生むのを避けた時代である。
三年後の二〇一二年にはこの「配給途絶世代」が若い兵士の一〇〇%を占めるようになる。つまり圧倒的な兵員不足の時代がすぐ目の前に来ているのだ。
兵員が足りなくなって軍隊の土台が崩れたら、先軍政治は黄昏期に入るしかない。この衝撃に耐えるためには、先軍政治をやめて新しい政治を模索するしかない。
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