日本平和委員会が情報公開法に基づき法務省から開示された「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」。「第一次裁判権不行使」の項目がある。
9 「第1次裁判権不行使」で不起訴に
「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」(2001年~2008年)でさらに注目すべきは、刑法犯で不起訴になった理由のうち、「第1次裁判権不行使」という項目があることだ。
2001年~2008年に、自動車による過失致死傷を除く刑法犯の不起訴人員1042人のうち、「第1次裁判権不行使」で不起訴になったのは、373人である。
その他の不起訴理由としては、「起訴猶予」498人、「嫌疑不十分」52人、「第1次裁判権なし」19人、「裁判権なし」1人、「その他」98人である。
「第1次裁判権不行使」は全不起訴数の35.8%にあたり、47.8%の「起訴猶予」に次ぐ。この二つの不起訴理由で全体の8割以上を占めている。
以下に、罪名別の「第1次裁判権不行使」人員数と、それぞれの不起訴人員総数を挙げる。
罪名 | 「第1次裁判権不行使」人員数 | 不起訴人員総数 |
公務執行妨害 | 1 | 10 |
放火 | 0 | 1 |
住居侵入 | 15 | 78 |
文書偽造 | 1 | 2 |
強制わいせつ | 1 | 17 |
強姦 | 0 | 16 |
強姦致死傷 | 0 | 7 |
殺人 | 0 | 1 |
傷害 | 14 | 126 |
傷害致死 | 0 | 1 |
暴行 | 6 | 47 |
危険運転致死傷 | 0 | 0 |
過失致死傷 | 0 | 3 |
その他の 業務上過失致死傷 |
1 | 2 |
脅迫 | 0 | 2 |
窃盗 | 267 | 484 |
強盗 | 4 | 9 |
強盗致死傷 | 0 | 4 |
詐欺 | 11 | 39 |
恐喝 | 3 | 3 |
横領 | 19 | 36 |
盗品等関係 | 2 | 4 |
毀棄隠匿 | 22 | 117 |
その他 | 6 | 33 |
計 | 373 | 1042 |
つづく(文中敬称略)
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