北朝鮮内部の状況が、これまで写真や映像でほとんど伝えられることがなかった事情を考えると、キルスたちの描いた絵と文章は、拙いものですが資料的な価値があります。
本文中の絵は、キルス一家が直接体験したり目撃したことと、目撃はしていなくても、住んでいた地域で常識と考えられていることや事件を想像して描いたものがあります。
一枚一枚の絵をじっくり見て、北朝鮮の子供たちがどのような生活を強いられているかに思いを馳せて欲しいと思います。ひもじさを凌ぐために北朝鮮の人々が言葉を絶する苦労をしていること、そして、そのために人々の心がどれだけ荒んでしまっているかが垣間見えることと思います。
日本語版への下訳は、北朝鮮難民問題に思いを寄せる在日朝鮮人青年崔栄哲氏が、多忙の中を引き受けてくれました。原文には北朝鮮だけで通用する難解な政治用語や隠語、略語が多く、日本語訳に当たって何人かの北朝鮮脱出者の助けを借りました。日本語訳文における一切の責任は監訳者である石丸次郎にあります。 (つづく)
おすすめ<北朝鮮> 写真特集・無料動画…
1 2