山菜採りの少年 食べていくために山菜採りに出かけます。でも、もう他の人が採りつくしていて山菜もありませんでした。  ミング(絵)キルスの従兄弟
山菜採りの少年
食べていくために山菜採りに出かけます。でも、もう他の人が採りつくしていて山菜もありませんでした。  ミング(絵)キルスの従兄弟

 

チョン・ソンミ (キルスの母)
栄養失調で体が弱くなった私は、山に行けなくなり、子どもたちが採って来たトラジ(桔梗)をきれいに洗って、ジャンマダン(闇市場)で売って生きのびた。
ある日、二番目の子どもが、トラジ採りから夜遅くになって帰ってきた。たった一つかみにしかならないトラジを見たとたん、私はかっとなって子どもをひどく叩いてしまった。

「いったい全体何なの。どこで遊んできたの。みんなが死んでもいいの?」
「お母さん、一日中山を歩いたんだけど、もうトラジは見つからないの」
子どもは、わんわん泣きながらわけを話した。泣けば泣くほど、私は狂ったようにその子を叩いた。

次の日の朝、私はフラフラした体を引きずって、リュックとくわを背負い、二番目の子どもについて山に向かった。
ところが、思い通りにはいかない。山の中腹まで来ると足が言うことを聞かなくなり、息が切れてほとんど進めなくなってしまった。山と空がくっつきグルグルと回っているようだった。

頭がクラクラしながらも、花びらが風で揺れている姿を見つけた。
「あ、桔梗だ」
私は子どものように歓声をあげて走り寄った。
「お母さん、ヘビだ、ヘビ」
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