「キルスの母さん。あの肉の塊見なさいよ」
横を歩いていたチョルの母さんが言った。人間を肉の塊とたとえたのである。

人々が向こう側の水たまりにかがみ込み、カエル捕りに夢中になっていた。白米というものを知らずに生きてきた我々なので、ネズミやヘビ、カエル、そしては虫類で命をつなげるのである。

家に着いて山菜のカゴを解くと、押し車一台分くらいになった。山菜でも家の片隅に積んで置いてみると、満足し落ち着いた気分になった。
「お母さん、ぼくたちが一年に食べる山菜の量は一トンは超えるね」
子どもたちは、いちいち山菜の量を計算するのである。

「ぼくたちは草食動物になったね」
末っ子の愚痴である。

夕食の準備ができた。
食卓に上がったのは、真っ黒な草の食事だけである。山菜もち、山菜和え、山菜スープ......。しかしこの世界の、どんな天下の珍味にも負けない、大切なわが家の食卓である。
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