山村に闇が訪れ、空に星がひとつ、またひとつ現われ始めた。土仕事をしに行く子どもたちに、大盛りのご飯どころか、水くさい粥しか食べさせることができなかった。
先祖の墓地を掘り起こしに行くと考えると、大きな罪を犯す気持ちだった。
出発する前に食卓に水を置き、私たち三人は並んで立って、丁重に二つの手を合わせ祈った。
「神さま、許してください。かわいそうで善良な私たちを見守ってください。すべてがうまくいくことを願うだけです」
まっ暗な夜、楽しいはずがない夜であるためか、今日に限って門の前に立っただけでも震えが来た。
門の外に出ると、冷たい秋の風が私に吹きつけたかと思うと、またすぐに遠くに過ぎ去っていった。
「お前たち、気をつけるんだよ」
私は闇の中に消えてゆく子どもたちに向かって一言だけ声をかけ、急いで扉をガチャンと閉めた。ドキドキする胸を落ち着かせながら夜を明かした。 (つづく)
<<<連載・第8回 記事一覧 連載・第10回>>>
おすすめ<北朝鮮> 写真特集・無料動画…
1 2