雨が降る日も、カンカン照りの日も、また吹雪のふく寒い日も、子どもたちはくじけずに、ぼろをまとって夜も昼も関係なく、亜鉛精錬工場に通いつづけたのだった。
今、私は涙を流しながらこの文章を書き留めている。
その工場で盗みをしなければならなかった、2年7ヶ月という短くない期間に、子どもたちはつかまって、どれだけ殴られただろう。服を破られたり、奪われたりしたことは何度あっただろう......。
取られた服や手ぬぐいや靴は、工場の暖炉にくべられて灰になっていったり、機械室を拭く雑巾になったはずである。
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(文) リ・ドンハク [キルスの伯父・ファヨンの父]
48歳。咸鏡北道花台郡出身。労働党員であったが1999年1月に北朝鮮脱出北朝鮮では製錬所、建設企業所の、副職場長などを務めた。
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