大村一朗のテヘランつぶやき日記 ・新聞セタレ・ソブフより~事態を見守る保守派議員たち(1) 2010/01/21
12月27日のアーシュラーの抗議デモ以降、しばらくの間、政府と国営メディアによる弾圧キャンペーンが繰り広げられ、この日の抗議デモに直接関わっていない者も含め、多くの改革派政治家やジャーナリストが拘束された。複数の新聞が発禁処分や警告処分を受け、デモでの拘束者の裁判は今も続いている。
今回の抗議デモが、死者7名、拘束者数百名という、6月15日の抗議デモ以来最大の犠牲者数を出しただけでなく、デモの過激化が顕著なものとなったことを受け、政府だけでなく、改革派もまた事態を重く受け止めている。
改革派のリーダーであるムーサヴィー、キャッルービー、ハータミー元大統領、そして彼らを取り巻く多くの支持者たちは、もともと選挙結果に対する異議申し立てのために抗議活動を開始したのであり、体制転覆を目指していたわけでは決してない。しかし、デモは時を追うごとに過激化し、体制転覆を求めるスローガンが平然と叫ばれるようになり、事態はもはや、彼らの制御できないものへと変わりつつある。
さらなる騒擾と、政府による弾圧の激化を目の当たりにし、多くの人々は出口の見えない迷路に迷いこんだかのような気持ちを抱いている。そんな中、改革派系週間新聞セタレ・ソブフは、保守派国会議員へのインタビューを2週に渡り掲載した。1週目のインタビューでは、「選挙後、国は危機的状況にあるか。その原因は何か」、「現状を脱却するにはどうしたらよいか」という二つの質問が保守派議員たちに向けられた。以下は、議員たちの回答を要約したものである。
アサダッラー・バーダームチヤーン
オバマやイギリスの外相、BBCなどの西側のメディアが破壊者たちと繋がっていたことが、選挙後の出来事の原因だ。彼らの存在は、「イスラム共和国ではなくイラン共和国を」、「法学者の統治を打ち倒せ」といったスローガンからも明らかだ。「ガザでもなく、レバノンでもなく、我が命はイランのため」は、イスラム革命の偉大な業績を否定するものだ。ミールホセイン・ムーサヴィーとメフディー・キャッルビーは、残念ながらこうした動きを支持した。
オバマや西側の政治家たちが反乱者への支持を表明しても、ムーサヴィーとキャッルビーは目を冷ますことはなかった。手遅れになる前に彼らが真実を受け入れることを祈る。私は、国が危機的状況にあることは受け入れないが、政治の舞台に問題は山積している。誰もこんな出来事が起こることを望んではいない。国民は物事の本質を理解しているため、彼らと決別した。革命の当初、人々が MKOやバニーサドルと決別したように。現状を脱却するためには、国民から退けられたグループが自らの行動を後悔し、その罪を償わなければならない。
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