このため、「我が企業所が活気を持って前進すれば、軽工業をはじめとする経済の様々な部門を再建し、人民生活を一日も早く向上させることができる」と紹介されるなど企業所は北朝鮮を豊かな「強盛大国」へと導く原動力として位置づけられているのが窺える。

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北朝鮮の電車の姿。送電線が見える。2005年6月平安南道 撮影:リ・ジュン cアジアプレス、リ・ジュン

 

ビナロンとは無煙炭と石灰石を混ぜて得られたカーバイドを元に作られる合成繊維で、主に産業用に利用される。だが、その生成過程には多量の電力と熱量が必要とされる。そのため、咸鏡南道内の電気を工場へと優先的に供給したところ、列車にまで電力が回らなくなったものと推測される。ちなみに北朝鮮の鉄道の大部分は「電車」である。

北朝鮮では1990年代以降、経済破綻で原油輸入が大幅に減少、石炭生産も低調で。加えて、発電施設の老朽化などにより、全国で電力の供給が極度に悪化している。同通信員によると、咸鏡北道の茂山郡では、夜中に3時間ほど弱い電圧で供給があるだけで、テレビの視聴もままならないという。また、同じく咸鏡北道の清津でも電気は数日に一度、数時間の供給があるだけだと、イム通信員は伝えてきている。
アジアプレスでは中国と隣接する北朝鮮北部の数都市に、中国の携帯電話を搬入して北朝鮮内部の情報を収集している。(李鎮洙)

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