哨戒艦「天安」沈没事件以降、北朝鮮の公安機関が、韓国の文化や情報の流入に神経を尖らせていると、北朝鮮内部のイム・チョミ通信員が13日伝えてきた。
イム通信員の報告をによると、これまでも「109常務」と呼ばれる取り締まり専門組織が、不法録画物や外国放送を視聴する人々を取締っていたが、4月になって、韓国で「天安」艦沈没が北朝鮮の仕業だという見方が強まってから急に厳しくなったようである。黄海道と江原道では韓国のビラを発見したら即、保安所(警察)へ申告・提出せよとの特別指示が下されていたという。
「住民の隣組にあたる人民班会議では、周波数を固定する封印を外した違法ラジオ、韓国のビラ、録画物を持っている者は自首すれば寛大な処置で許すという方針が伝えられたけれど、正直に自首する人なんていない。平壌では『アイリス』や『推奴(チュノ)』等の新作韓流ドラマのDVDセットが1200~2500ウォン(100~210円程度)で活発に取り引きされている」と、イム通信員は言う。すべて中国から入ってくる不法複製品だそうだ。 しかし韓流ドラマの所持が発覚すると、教化刑(懲役)を受けることになるという。
また、市場では韓国商標が付いた物は無条件で押収されているとのことだ。韓国の商標が付いた物を販売して摘発されると1千~1万ウォンの罰金。取り締まりを行う市場管理所職員や保安員は、客を装うおとり捜査を行っているという。
イム通信員によると、北朝鮮では春窮期を迎え、現在も満足に食事を取れない住民が多い中、住民の生活改善に力を注ぐことをまったくせず、このような取り締まりばかりに熱心な公安機関について、住民たちは不満を募らせているという。(李鎮洙)
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