一人の老人が突然会議場に現れた。・・・。彼はビルマ軍の陸軍大佐だった人で、ミャンマー山岳絵延命の創立者ラオン大佐だった。・・・。ラオン大佐は、『不幸な内戦が続いたカチン州とわが国の政府との間に、ようやく平和が訪れた。

そこで政府はカチン州を外国人に開放して、その地域を観光開発に着手しようとしている。それはそれで結構なことだと思う。・・・。ラオン大佐はさらに、『しかしながら、カカボラジはわが国民によって初めて登られるべきものであり、外国人の手助けなど必要ではない』」

タフンダン村の外れにはためくタルチョ。
タフンダン村の外れにはためくタルチョ。

 

ビルマ国軍の幹部たちはこれまで、英国の植民地下で、或いは日本の占領時を思い出して、実に悔しい思いをしていたのだろう。それが今は反動となって、誇り高き軍人が支配する軍事政権国家となってしまった。

では、未踏峰のカカボラジの頂上には、さて、尾崎さんとアンセーさんと、どちらが最初に立ったのだろうか。その真相は、この2人しか知らない。
つづく
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