私たちが使っていたあのそのタイプのものではなく、囲いの板が付いているものにしろと......。これは木材が、以前のよりももっと多く必要なんですよ。
リ：九八年だったら大変だったでしょう。食糧難の上に木を確保するのも難しい時代でしたからね。
先生：その通りです。でも今では四〇〇〇ウォンから一五〇〇〇ウォンをするという机を、私たちは当時なんとか頑張って一組二〇〇〇ウォンで作ったんですよ。それでも全部作り切れませんで......。新しいのに交換できなかったクラスではその後、古い机と椅子が壊れていきました。
子どもたちが腕白なので、椅子なんかはすぐに壊れるんですよ。大工さんに修理をお願いしようにも、木材が足りないし......。それに加えて、生きていくのに誰もが精一杯だったし、生徒も減りましたからね。そんなわけで、机も使いまわしをしながら、なんとか生徒が皆、座れるようにしていたんです。
（つづく）
整理 リ・ジンス
注１ 北朝鮮の学制は人民学校四年間、中学校六年間（内、高等中学二年）となっている。これに二年制の幼稚園の二年目を加えて計一一年が義務教育となっている。一般的な該当年齢は六歳から一七歳までであるが、近年の社会混乱のために長期欠席するケースも多く、留年している子どもたちも多い。
注２ 金正日の「お言葉・ご教示」を指す。内容は幹部に伝えられ、文書になって公式化され全国へと下達される。「マルスム」は、無条件に従い、実行しなければならない法を超越した「掟」である。
