校舎の中の廊下。スローガンは「首領決死擁衛」とある。(2006年6月 リ・ジュン撮影)
校舎の中の廊下。スローガンは「首領決死擁衛」とある。(2006年6月 リ・ジュン撮影)

 

学校と生徒の間で板ばさみの教師たち 2
取材 リ・ジュン
リ:あの頃は本当に大変でした。しかし最近ではまた生徒が増えているのですか?
先生:そうです。去年卒業した六年生は二五人だったのですが、今年の新入生は三〇人を超えますから。やはり生徒が増えたら増えたで大変なんです。私の担当しているクラスも、昨年より一〇人も生徒が増えました。

特に最近、六人が転校してきて、ミョンチョルはその最後の六人目だったので椅子と机の確保が大変だったんですよ。それでもうちのクラスでは今年、余裕のある家に頼んでもう一度机と椅子を全部作りなおすことにしましたから、なんとかなりそうなんです。

ミョンチョルが一つの椅子に二人で座るなんていう不便な思いをした直接的な理由は、私が病気で一五日ほど学校に出て来られなくて、気を配れなかったからです。ミョンチョルの隣の席のギフンが「なんで机と椅子を持ってこないんだ」なんて事情も分からずに言ったから、ミョンチョルは傷ついたんでしょう。

リ:ギフンて、ミョンチョルの家の裏に住んでいるギフンのことですか? まったく......、同じところに住んでる子ども同士仲良くすればいいのに。
先生:それでギフンにはきつく言っておきました(笑)。
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