Q:相当きつい仕事だったようですね。もう少し作業のことを聞かせてください。
A:とにかく何としても三月二〇日までに土地を平らにする作業を終わらせなければならないと、休む間もなく働かせられました。仕事がはかどらないと殴られもしました。

Q:機械も無い、食事も少ない、寒い、仕事の時間も長い......。それでは体が持ちませんよね。事故なども多かったんじゃないですか?
A:段差のあるところを平らにしようとすると、どうしても上から下に石が落ちますよね。それに当たって大怪我をする人が毎日七、八人はいました。

昼間は明るいし、なんとか体力もあるので大丈夫なのですが、夜になるとよく見えないし、もうみんなフラフラなので、よけろと言っても聞こえないんです。体に重い障害が残った人もいました。また、発破をする時に飛んでくる石に当たって怪我をする人も多かったです。「早く避けろ!」と言うのですが、みんな疲れているのでそう早く動けませんから。

Q:体調の悪い人は仕事を休めるのですか?
A:基本的には休ませてもらえません。休んだとしても、二五人の小隊の仕事量というのが決められているので、その分、他の人の負担が増えます。

Q:それでは、突撃隊の士気はそれほど高くないんではないですか?
A:一〇万人が皆、極限状態で働いていましたので、いくら罵倒されてももう動かないんですよ。走れと言われても走れない、そんな状態です。それでも、家が裕福だけれども入党を目的にして来ている人間とかは差し入れが豊富なので、なんとか三年間持ちこたえるんですよ。差し入れの無い人たちは大変です。毎日死人が出ましたよ。事故で死ぬ人......、衰弱して死ぬ人もいました。

Q:あなたは直接見たんですか?
A:もちろん。こんなことがありました。同じ隊の人が弱って便所から出て来られないというので皆「仮病じゃないのか」と言っていたのですが、実際に行ってみたら本当に倒れていました。衰弱し切っていましたね。慌てて担いできて休ませたのですが、三日後にまた便所で倒れてそのまま死んでしまいました。

Q:突撃隊には若い人ばかりくるのですか?
A:青年同盟に所属する青年突撃隊は若者ばかりですが、六・一八突撃隊は労働党の宣伝扇動部に所属していますので、特に制限はありません。来たいのなら中年の女性でも構いません。私の住む××郡の△△里の農場からは四人が送られることになっていました。一つの農場には四つの作業班があるので、一つの班から一人が行くことになりますね。

Q:でも普通は行きたがらないですよね?
A:(自分から行くとしたら)入党が目的で行くくらいでしょうね。だから作業班で短い期間の交代制にして突撃隊に送る場合もあります。それでも行きたくない者はどうするのかというと、道端にいるコチェビ(浮浪者)をつかまえて、「これは俺の親戚だ」と嘘をついて突撃隊に行かせるんですよ。

コチェビを、三食が出るからとか言葉巧みに騙して、いくらかの金を渡して連れて行くのですが、このコチェビが死ぬんです。体が元々弱っているし、仕事はキツい、そして誰も差し入れにいきませんから、真っ先に死んでいくのです。

Q:それこそ嘘であって欲しい話ですが......。
A:本当のことですよ。
聞き手・整理 リ・ジンス
二〇一〇年二月

江原道の六・一八突撃隊で死者が続出 上[事件・事故]

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