チベット系民族と2つの名前(上)

※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネ  ームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署  名を「宇田有三」に統一します。

現存するタロン民族の3人のうち、ダウェさん(右から2人目)が塩とお茶を求めてプータオの町へと向かう
現存するタロン民族の3人のうち、ダウェさん(右から2人目)が塩とお茶を求めてプータオの町へと向かう

 

ではいったい、いつ頃からタフンダンとその周辺にチベット人が住み始めたのだろうか。それには2つの説がある。
「タフンダン村の住人はすべてチベット族だ。彼らはおよそ200年前にチベットから移り住んだのだという。ヤンゴンではこの人たちのことをダルン族と呼び、チベット族とは呼びたがらない。ミャンマー政府にとって、チベット(中国)との国境に非常に近いこともあって、よけいな誤解をまねきたくないのだろう。正確にいうならば、ダルン族とは4世代にもわたってミャンマーに住み、ミャンマー国籍をもったチベット系の山岳民族ということになる」(尾崎、前掲 )

現存するタロン民族の3人のうち、ダウェさん(右から2人目)が塩とお茶を求めてプータオの町へと向かう
現存するタロン民族の3人のうち、ダウェさん(右から2人目)が塩とお茶を求めてプータオの町へと向かう

 

もう一つの説は、2002年頃にタフンダンに調査に入った西欧人の報告である。

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