私は中国で神様(キリスト教)を信じたから、神様が私を助けてくれたようです。カエルを捕まえて干しておいて、ご飯と交換したりもしました。それから夏には生のカボチャも食べました。監獄では、カボチャを食べれば健康に良いと皆言っていました。浮腫みが消えるんです。

時には生カボチャをとってこっそり分け合うこともありました。秋には生トウモロコシ、それから稲が実ればコメも。田畑が多い所なので、一〇月から二月までは稲を食べるんです。原始人のように袋を作って、稲を袋に入れて石で打ってから小さい盆のようなものに屑を出して生ゴメを食べるんですよ。

Q:それは田圃からこっそり盗んで食べるということですね?
A:はい。こっそりと食べます。

Q:発覚したら大変でしょう?
A:ばれると処罰を受けることになりますけれど、それでも人間は食べなければいけないでしょう? 秋には、盗むコメがあるからいいけれど、一番大変なのはトウモロコシが出てくるまで(八月終わり頃)。その時期が一番難しい時です。

差し入れ・面会
Q:家族から、食べ物とかお金は差し入れできるんですか?
A:お金はできません。差し入れできるのは炒めたトウモロコシ粉。油、味噌のようなのはだめです。飴のようなものもまったくだめです。

Q:家族は会えるんですか?
A:面会することはできます。でも今は生活が苦しいから、面会に来てもらえるのは、一つの班五~六〇人のうち一〇人もいません。それほど国の食糧事情が緊迫しているんです。女は夫が教化所に入れば食べ物を準備して面会に行くことがありますが、女が教化所に入っている場合は、夫が他の女と家庭を作ったりすることが多くて、面会に来るケースは少ないです。

それで女の場合は、親か親戚兄弟でなければ来る人もありませんよ。甑山まで面会に来ようとすると、《面会物》(面会する時に必要な食べ物類)や交通費などで二〇万ウォン(インタビュー時で約七〇〇〇円)以上もかかるので、金がなくて来られない人が多いんです。
(つづく)
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