Q:中国から送還された脱北難民だけでなく一般の刑事犯もいるんですね。
A:はい、そうです。有期刑の最長は一五年で、それを超えれば無期刑なので价川(ケチョン)教化所(平安南道)に送られます。
价川は外に出ることができなくて、建物の中だけで仕事をするそうです。(刑事裁判で)一〇年、一五年の刑を受けた人たちには、以前は大赦といって、金日成、金正日の誕生日とか党創建記念日とかに刑期を三年ずつ減らすような処置がありました。
一般の特赦ならば一、二年を減らしたり。だから一五年の刑期といっても大赦を受ければ、半分の七年程度で監獄から出て行けたんです。ところが今では扱いが厳しくなって刑期が長い人たちは、まず(監獄で)刑期の半分を過ごさないと大赦の対象になりません。
Q:罪状がいろいろなようだし、他にも全国的に教化所がたくさんあるわけで、その中でどんな人々が甑山に送られるのでしょう?
A:これまで女性専用の教化所は甑山にしかなかったそうで(甑山には女性専用の管理課があることを指している)女性が大勢送られていました。
〇七の三月から各道に教化所ができて、罪状ではなく出身地域ごとに収監されるようになったと聞きました。
※甑山教化所は、一一の少し独立性のある管理課があり、懲役に当たる教化刑を受けた者の管理課、労働鍛練刑を受けた者の管理課に分かれている。その各々が男女別の管理課に組織されている。Aさんの証言通りだとすると、〇七の三月以降に教化刑を受けて入所した人たちは地元の平安南道の者たちということになる。とにかく、甑山教化所の構造は外部の者には非常にわかりにくい。読者の理解のために今後の連載のなかで北朝鮮刑法の関連部分を載せる予定なので参照頂きたい。
A:平壌(ピョンヤン)のある国営工場企業所の簿記(会計責任者)が収監されていました。何百万ウォンの国家資金を個人の商売に流用してしまい、その資金を返還できなくなり書類上でもつじつまが合わなくなって捕まったそうです。
Q:その人は何年の刑でしたか?
A:一五年。そういう(横領罪に問われた)人が何人かいました。刑期は金額によって違うようです。あと詐欺して捕まった人も多かったです。それから迷信を広めたとか占いをやった人。監獄の中でもまた、占いをやって批判された人がいました。
(つづく)
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