続く2005年にも「延辺天池工業貿易有限公司」は茂山鉱山との取引を拡大していく。同年9月、南坪鎮を訪れたアジアプレスの取材に対し、南坪鎮の選鉱工場の管理主任であるキム・ウォンヒ氏は「1日に130台のトラックで6000トンの鉄鉱粉を輸入している」と語っている。これは年間に換算すると軽く100万トンを超える量となる。さらに「2006年には200万トンの輸入を予定している」と語るなど、中国側の並々ならぬ期待がうかがえた。
また2005年10月(06年1月とも)には中国と茂山鉱山の間に大きな契約が結ばれた。中国側では吉林省最大の鉄鋼企業である「通化鋼鉄集団」が代表となり、中国最大級の鉄鋼企業「中鋼集団」、そして「延辺天池工業貿易有限公司」の3企業が北朝鮮の茂山鉱山開発のために、70億元(約900億円、当時)を投資するというもの。
投資の内訳は50億元を鉱山開発のための設備導入へ、そして20億元を通化市-茂山間の道路・鉄道・送電システムの整備にあてるとのことだった。また、投資の見返りとして中国側は「茂山鉱山の採掘権を50年間取得」し、「年間1000万トンの鉄鉱石を持ち出す」という内容が含まれていた。
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