A:八〇平方程度で七〇〇〇ドルか......。だったら一〇平方当たり一〇〇〇ドルちょいということか。
C:一〇〇平方の家は、一万ドルするということだな。
B:一三〇〇万ウォンという金を、一度触ってみたいもんだ。
A:実際の一三〇〇万ウォンというお金は、朝鮮の紙幣がいくらかさばるといっても、リュックサックの半分にもならないでしょうよ。
B:そんなもんか。一〇〇ウォンが一番高額の紙幣だった時代に、二五万ウォンがトランクひとつにもなったけどな。
A:一〇〇ウォン札しかなかった時代はそうだったでしょう。今は五〇〇ウォン、一〇〇〇ウォン、五〇〇〇ウォン札まであるから。一三〇〇万ウォンと言ってもそんなにかさばりませんよ。
(整理 石丸次郎)
注1 「不動産投資」で新築したアパートは、国家住宅を管理する都市経営局に賄賂を渡して、国家住宅として登録してもらう。そして部屋の購入者には、住宅利用の証明書である「入舎証」を売る、これが売買のからくりだ。国家住宅がどのように売買されているかについては、リムジンガン記事「住宅闇市場と横行する不正腐敗」で詳しく報告した。参照いただきたい。
注2 北朝鮮では台所から遠い部屋を「上の部屋」、台所のすぐ横の部屋を「下の部屋」と呼んでいる。