1960年代農村で現地指導する金日成主席。(「わが民族同士」HPより引用)

 


金正恩は「首領絶対制」も継ぐのか?

党代表者会の金正恩(キム・ジョンウン)騒動のてんやわんやは、ようやく一段落ついた。
多くのメディア・専門家が意外だとしていたのが、正恩氏の姿を北朝鮮メディアが公開したことだった。だが、筆者は可能性ありと事前にサンデー毎日9月19号に書いていた(別に自慢するわけではありませんが)。
自己引用を一つ。

「(...前略)最後に予測をひとつ。もしジョンウン氏が故金日成主席に似ているなら、筆者は『労働党代表者会』に姿を現すと見ている。後継者として適任であることをアピールするためだ。どこまでも『北朝鮮は金日成の国』なのだ」
なぜ、こんな予測を立てたか?金正恩氏はまだ年齢が27か28。社会経験も乏しく、政治の能力もまだ試されていない。そんな若造をいきなり後継者としてデビューさせても、国民は誰も納得がいかないはずだ。

金正恩氏は金日成の孫である。もし、外貌がカリスマ抜群の金日成に似ているとしたら、国民の評判の点数は上がる。健康不安で時間がない金正日総書記としては、後継作業のペースを上げたいので、できれば一般公開も早めにして国民に認知してもらう方がよい。
だが、単なる若造が出てきたという印象を持たれてはむしろマイナスだ。筆者は、もし正恩氏が金日成主席と似ているなら、北朝鮮当局はそれを宣伝材料に最大限利用するだろう、と考えたわけだ。

さて、その読みは当たった。高く刈り上げた真中分けの髪型は、30代後半の金日成のとそっくりである。服装も人民服とすることで「人民とともにある」という金日成のイメージとダブらせようとしたのだろう。
いわば、国民向けの「イメージ戦略」として、何もかもを金日成に似せて登場させたのだろう。
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