18日にニューヨーク大学で行われたシンポジウムの様子。左端がロバート・ボイントン教授。(アジアプレス)

 

今月18日に米国ニューヨーク大学(ニューヨーク州)において、北朝鮮内部で撮影された写真の展示会とシンポジウムを主催した同大学ジャーナリズム学科のロバート・ボイントン教授が、11月に予定されていた北朝鮮訪問を北朝鮮当局により取り消されていたことが、25日わかった。

写真展はボイントン教授が企画し、「北朝鮮内部のジャーナリズムの現状」をテーマとするシンポジウムと合わせてニューヨーク大学構内で開かれた。アジアプレスの北朝鮮内部の記者たちが2008年から今年6月にかけて撮影した写真約50点が展示された。催しには日本からアジアプレスの石丸次郎大阪事務所代表も出席した。

シンポジウムと写真展の様子は米国をはじめ各国のメディアで報じられた。ボイントン教授によると、「RFA(自由アジア放送)」が19日に北朝鮮向き放送とインターネット版を通じ催しについて報じた後、予定していた北朝鮮訪問が不許可になったと連絡があったという。北朝鮮当局は、11月に多数の米国の元官僚や北朝鮮専門家を北朝鮮に招請しており、ボイントン教授も同行の予定だった。

RFAはボイントン教授の突然の訪朝取り消しについて、26日インターネット版で特集を組んだ。その中で、ワシントンの消息筋の話として「平壌の当局者が、北朝鮮の実情を公開した写真展と北朝鮮内部の記者たちの活動を伝えたRFAの報道に接し、ニューヨークの北朝鮮代表部に調査を命じて、催しを主催したボイントン教授の訪朝を認めないことにした」と伝えた。

またこの消息筋は、「平壌の当局者は直接ニューヨークの代表部に電話をかけ、北朝鮮内部で秘密裏に活動する記者たちと写真展を報道した内容を検討することと、ボイントン教授についても調べよと指示した」と語ったという。

この処置についてRFAは、「金正日総書記の息子の金正恩氏が次期後継者として公式化されたのち、北朝鮮当局は後継世襲を批判する世論を厳しく取り締まっており、ボイントン教授の訪朝を不許可にしたのも、米国で北朝鮮内部の実情が公開されたことに対する不快感を表したもの」と分析している。
RFAによると、ボイントン教授は「北朝鮮が米国内の出来事や報道をすぐさまキャッチして監視していることにとても驚いた」と話しているという。(李鎮洙)

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