下町の住宅街にある投票所に足を運ぶ ラングーン(ヤンゴン)の市民。2010年11月7日撮影 宇田有三

 

選挙ボイコットを呼びかけるデモが行われるという情報を聞きつけ、ラングーン(ヤンゴン)市内のある地区に足を運んでみた。
交差点には武装した警官たちが自動小銃を手にして、周辺に目を光らせている。
裏通りの住宅街に入り込んで、各所に設けられた投票所にも行った。さすがに、外国人である私の姿にみな驚き、どこの投票所でも不可解な顔をされ、不審な顔つきになる人が多かった。

そのほんのわずかな瞬間にカメラのシャッターを押し、その場を立ち去る。
いくつかの投票所ではカメラを構えた私の前に立ちはだかり、カメラを押さえつけて、「写真を撮るな!」と強い口調で撮影を制止しようとする人もいた。

携帯電話を取り出して、どこかに通報する姿も何度も目にした。
選挙反対のデモが予告されていた場所に11時半過ぎまでいたが、結局何も起こらなかった。
日曜日とあってデパートや商店に人が集まり始めた。武装警官たちを撮影しようと、近くまで行ってみたが、彼らに気づかれずに遠くから撮影しようにも、自分自身の身を隠す場所がない。四つ角に立ってみると、すぐに背後から男性が近づいてきて、「何か用があるのか?」と尋ねてきた。見るからに何かを警戒中の男性であった。すぐに地区を離れなければならない。急いでタクシーに乗り込んだ。
市内の東地区をまわった。だが、それほど大きな動きは感じられない。投票は粛々と行われているようだった。<ラングーン(ヤンゴン)=宇田有三>

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