マハラは人民戦争が始まると、マオイストのスポークス・パースンを長く務めることになるのだが、アナンタやパサン、ビプラプといった若手リーダーが、ロルパだけではなく、マオイスト全体の武装組織に果たした役割を考えると、彼らをコミュニストに育てたマハラの役割がいかに重要かがわかる。
アナンタらは、ホステルを中心に密かに共産系政党の学生組織を結成した。当時は非合法だった政党の傘下にある組織だから、官憲に見つかると当然、逮捕される可能性があった。
アナンタは高校(10年生)が終わると、隣のダン郡ゴラヒにあるキャンパスに進学した。アナンタと他の2人のマガールの少年は、マディチョールで初めてキャンパスに進学した若者となった。
リバンの高校ですでに共産主義思想に染まっていた、この3人の若者がマディチョールで設立した"ジャルジャラ青年クラブ"が、ウシャと共産主義思想を結びつけるきっかけとなるのである。
(つづく)
【連載】 ネパール マオイスト・女性ゲリラたちの肖像
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