◇通貨ウォンの著しい下落のためか。ハイパーインフレ再び
年明けから北朝鮮国内の物価が急上昇していることが、北朝鮮内部からの情報で明らかになった。
15日に平安北道に住む取材パートナーで、北朝鮮内部の情報誌「リムジンガン」の記者も務める金東哲(キム・ドンチョル)氏が、アジアプレスに電話で伝えてきたところによると、年明けからほぼすべての物価が急上昇し、ジャンマダン(市場)に混乱が生じているという。
金記者によれば、15日の平安南道のある都市のジャンマダンの物価は、白米1900(1300) トウモロコシ950(400)、豚肉5000(3500)、ガソリン3500(2000)。
ヤミの両替商による外貨の実勢レートはウォンの下落が著しく、1米ドル3400(2000)、1中国元は450(300)であった。
(物価はいずれも1キロの価格、単位は北朝鮮ウォン。カッコ内は昨年12月11日の価格)
「年が明けてインフレが始まった。朝起きるとあらゆる物の値段が上がっているような有様で、商売人たちは価値の下落したウォンを忌避しようと売り惜しみするようになった。食糧など特定の物品だけが上がっているわけではないので、(物価の上昇は)ウォンの下落のためだと思う」
と金記者は説明する。
通貨のウォンの急落の原因が、紙幣の過度の増刷にあるのか、他にあるのか今のところはっきりしない。
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