~北朝鮮内部からの報告~

1月25日、北朝鮮内部で取材活動をする「リムジンガン」記者の金東哲(キム・ドンチョル)から電話があった。最新内部事情を報告する。

・物価は変動激しい。
・市場は流通滞り気味
・軍隊の食糧難が深刻化
・住民、幹部に食糧供出を強要

ドル、人民元の闇レートの騰落がひどく、平安北道某所の公設市場では、商売人たちが商品に価格をつけることをためらい、流通に支障が出ていると言う。売り惜しみが横行しているわけだ。

また、価値下落の著しい朝鮮ウォンでの受け取りを渋り、米ドルや人民元での支払いを求める場合が増えているという。

1月24日の平安北道のある地区の主な価格は以下の通りである。16日と比べると若干値下がりしている。いずれも1キロあたりの価格。単位はウォン。

品名

124日の価格

116日の価格

白米

1,700

1,900

トウモロコシ

900

950

豚肉

5,000

5,000

ガソリン

4,000

3,500

1米ドル

2,880

3,400

1中国元

400

450

 

 

 

 

 

 

 

 

諸物価と外貨のレートは、昨年12月中旬と比べると、軒並み50%程度上昇しており、ハイパーインフレと呼べるような状況が続いている。

このようにウォン計算すると物価は高騰しているのだが、ドルで見てみると、昨年来から大差はない。明らかにウォンの価値下落がひどいのがわかる。

金記者によると、公設市場にはコメもトウモロコシも大量に売られていることに変わりないという。つまり北朝鮮国内に食糧が不足しているわけではないのである。

ところが、軍隊組織の食糧不足は年が明けて極めて深刻な状況だという。キム記者が訪れた平安北道のある戦闘部隊では、1日の食糧供給がトウモロコシ中心に300グラムに抑えられているという。
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