両江道の恵山市内を走る路線バス。2002年8月 中国側から石丸次郎撮影(アジアプレス)

 

◇北部の恵山市で大惨事 凍結した川を走行中氷割れる

2日、両江道恵山(ヘサン)市と甲山(カプサン)郡の間を走る路線バス一台が、凍ったウンチョン川の上を走行中に氷が割れて水没、乗客乗員70人全員が死亡する事故があったと、北朝鮮内部の取材協力者の崔敬玉(チェ・ギョンオク)氏が電話で伝えて来た。

チェ氏によれば 恵山から甲山までの距離は60キロ程度たが、途中に流れるウンチョン川の下流で建設中だった三水(サンス)水力発電所が2007年に竣工。水深が深くなって川が凍る冬季は車が走れるようになった。運転手たちはガソリンを節約するために、道路を走らずに近道になる凍結した川を横切っていたという。

この度の事故は、気温が上がって川の氷が緩んでいたために氷が割れたものと思われる。チェ氏によれば、運転手の名前はチェ・チュンイル氏(49歳)で、川の水か深く事故に遭った乗客の遺体は捜索もできない状態だという。

またチェ氏によれば、このように川の上を走っていて氷が割れる事故は毎年発生しており、年平均35人から50人程度が命を落としているという。
「数年前には 両江道の保衛部(秘密警察)の会議から帰る途中の保衛部幹部4人の乗った車が水没して全員死亡する事故があった。また甲山銀行の小型トラックが新聞と郵便物を積んで川を渡る途中に氷が割れて水没する事故もあった」
とチェ氏は伝えた。

アジアプレスでは北朝鮮国内に中国の携帯電話を送り情報収集をしている。
【黄美蘭=ファン・ミラン】

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