新たな時代の兆し(上)
※お断り ミャンマー(ビルマ)入国取材の安全を期して、宇田有三氏は「大場玲次」のペーネームを使用していましたが、民主化の進展に伴い危険がなくなりましたので、APN内の記事の署名を「宇田有三」に統一します。

夕暮れが近づいた。ジャンスーさんの家から裏山を臨む。
真っ白な雪山は銅褐色に遷ろう。その薄暗くなった裏の畑に黒い影が一つ動いている。いつまでたっても畑の手入れに余念のない奥さんのサーテェイさんだ。
タフンダン村までの道中のラワン人の村では、夕方、5時を過ぎると人びとは仕事を切り上げ、家路に着いていた。だが、ここタフンダン村では、目の前が見えなくなるほど暗くなっても、畑仕事を続けている人がいるのだ。

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