炭鉱自体も輸出して外貨を稼がないと、設備の更新もままならず、従業員の配給も滞る。そうすると国内電力生産が低下し、またポンプや電気炭車が動かせなくなる。ジレンマである。
金総書記初め上層部は、石炭を「輸出だ、いや国内に回せ」とまちまちの指示を出し、さらに指示が朝令暮改でころころ変わるので、炭鉱の幹部は年中右往左往しているのだという。
（石炭産業については、リムジンガンの第５号で特集を組むのでお読みください）
韓国統計庁の統計によれば、北朝鮮の年間発電量は次の通りである。
1990年 277（121）
2007年 237（103）
2008年 255（114）
2009年 235（110）
（単位億キロワット カッコ内は火力発電の占める割合）
ちなみに2009年の韓国は4336億キロワット、日本は2008年が1兆1800億キロワット、1965年が約2000億キロワットであった。（日本の数値はエネルギー・経済統計要覧による）
北朝鮮は水力発電への依存度が55%ほどと高い。冬場は川が凍って水力発電の機能が落ちるので、毎年春になると電力事情は改善されていくのだが、今年はどうだろう。
