◇顔はふっくら 一人で歩行も足引きずる場面も
北朝鮮の国営放送・朝鮮中央テレビは、先月20日から26日に及んだ金正日総書記の中国非公式訪問の記録映画を制作。北朝鮮政府が運営する「わが民族同士」のホームページ上でも2日公開した。
記録映画は2編で、ひとつは列車で中国入りした後、黒龍江省の牡丹江市、吉林省の長春市、江蘇省の揚州市を経て北京に至る道程と、おもに産業施設を視察した様子を整理。もうひとつは胡錦濤国家主席ら中国要人と会談したことをまとめている。
映像の中の金総書記は肉付きがよく、一人で歩く様子や中国側の歓待に笑顔で応える姿を映し出しており、2008年夏に倒れてから(脳梗塞といわれる)の痩せ細った姿と比べると、かなり健康を回復させていることが分かる。映画制作の意図のひとつは内外に健康回復を誇示することだと見られる。
ただ、時折足を引きずったり、左手をかばうような場面が見られ、依然病気の後遺症が残っていることをうかがわせた。
また、金総書記一行の車列の中から撮られたと思われる中国の市街地の映像は、どこも人と車の往来がほとんど見られず、金総書記の移動に伴い厳しい交通規制が敷かれたことが伺えた。
【石丸次郎】