◇中国から爆薬密輸事件発生か 国境警備隊への査察説も
北朝鮮北部の両江道恵山市に住む取材協力者の崔敬玉(チェ・ギョンオク)氏が伝えてきたところによると、北部の両江道恵山(ヘサン)市で、中国との国境警備が大々的に強化されている模様だ。
崔氏によれば警備強化が始まったのは5月31日。「国境警備総局」の捜査部長が直々に恵山市を訪れ陣頭指揮し、国境警備隊の旅団長も国境巡察に同行しているという。また恵山市内では、保安員(警察官)と金正恩(キム・ジョンウン)氏が直接指揮するとされる公安組織『特別機動隊』が展開し、金正日総書記の写真展示施設を警備するなど、異例の厳重さだという。
崔氏は国境警備隊員から直接聞いた話として、警備強化の理由を次のように述べた。
「中国側から爆薬が密輸されて入って来ていることが問題になっている。また5月に入ってから中国との国際連絡橋の税関に検閲(査察)が入って、現在通関業務が全面停止しており、そのため密輸が急増していることが関連しているかもしれない」
一方、韓国の北朝鮮専門サイト「デイリーNK」は3日、恵山市一帯での警備強化について、内部の消息筋の話として、
「住民の脱北を国境警備隊員がほう助していたとの判断に基づいて、関連者を摘発し、厳罰するように金正恩が指示を下したため」
とし、この警戒強化措置にともなって、銃を持った国境警備兵が脱走したとも伝えている。
【中国・瀋陽=黄美蘭記者】