第3回 バクダッド市民の暮らし
― イラク軍と警察が治安維持にあたるなか、バクダッドの一般の人びとはどんな暮らしをしているのでしょうか? ―
(玉本)
バグダッドの電気事情は非常に悪いです。1日に5~6時間くらい電気が使える状態です。
突然、電気の供給がストップしてしまう日常です。電圧も不安定なので、たとえば家の電球が破裂したりすることが頻繁に起きます。
水道は、電気の供給があれば、ポンプを稼動し、水をタンクまで汲み上げることができますが、電気がこないと水も出ないという悪循環が続いています。
治安状況はまだまだ不安なところはありますが、それでも人びとはなんとか自分で楽しみを見つけようとしています。
イスラム教国なので、休日は金曜日で、外に出て買い物を楽しんだり、市内にある大きな公園にお弁当を持ってピクニックに行ったり、なんとか暮らしを楽しいものにしていこうとしています。
ただ仕事がないということで、市民の多くは苦労しています。
― 生活必需品を含めた物や食料は不足していないと考えていいんでしょうか
(玉本)
近隣諸国のシリアやイランなどから物が入ってきていますので、決して不足しているとは思いません。食料も入ってきています。
問題は値段が非常に高くなっているので、たとえば毎日お肉を買えたり、好きなように洋服を買える人たちは多くはないと思います。
― 具体的にはどんな仕事があるのでしょうか。また、一般の市民はどのくらいの稼ぎがあり、どの程度の生活力があるのでしょうか ―
(玉本)
イラクの場合、およそ国民の7割が公務員です。公務員は午前8時から午後2時までが勤務時間です。しかし、バグダッドでは罰則規定がないということもあるのかもしれませんが、朝9時頃から正午、もしくは午後1時くらいまでで帰ってしまいます。
それはアルバイトをするためです。タクシーの運転手であったり、知人のお店を手伝ったり、あるいは自分でお店を開いたり、副業をしないと生活が苦しいということです。
公務員は多いけど、うまく機能していない。残念なことですが、賄賂も横行している。所得が高額な上のクラスの公務員までが賄賂にどっぷり浸かっている。それは、非常に残念だなと思いました。
(つづく)
<<前へ │ 次へ>>