湾岸戦争、イラク戦争以後、イラクでは小児がんの子どもたちが急増した。市内の子ども病院はイラク各地からの患者でごったがえしていた。(撮影 玉本英子)
湾岸戦争、イラク戦争以後、イラクでは小児がんの子どもたちが急増した。市内の子ども病院はイラク各地からの患者でごったがえしていた。(撮影 玉本英子)

 

― これからのイラクの未来を語るとしたら、玉本さんはどんなことを期待しますか ―
(玉本)
治安状況は少しずつ改善されていることは確かなので、なんとかこれがもっと広がって暴力がなくなるという状況までいけたらいいなと願っています。
しかし残念ながら、まだまだ自爆事件、殺害事件は後を絶ちません。希望を持ちたいが、持てないのがいまのイラクだと思います。

ただひとつ言えることは、このような状況の中でも、市民はなんとか普通に日々を暮らしていきたいと願っています。
休みの日にはお弁当を持って公園に行きたい、友達とおしゃれしてショッピングに行きたい...。そういった私たちにとっては当たり前の暮らしが8年たった今もできていない。

そのことを私たちは忘れてはいけないし、彼らが普通の暮らしを取り戻せるまで、関心を持って見ていく必要があると思うのです。
空爆に加担した、殺害に加担した私たちは、彼ら彼女たちのことをきちんと見ていかなければならないのではないか。私はできる限り見ていきたいと考えています。
(おわり)
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