第6回 新聞社=組織ジャーナリズムの力
(板橋)
社内の話をしますと、キャップの村上は証拠改ざんの話を、フロッピーディスクが入手でき鑑定ができるという確証を得る8月末まで上司には伝えていませんでした。
極大な不祥事だからこそ、どういう形で情報がもれるかわからず秘匿する必要があった、と調査報道の取材経験が長い村上が判断した結果でした。
社内でもわたしたち取材班しか当時知らなかった。
9月になって、上司のデスクや部長に取材結果のプレゼンをして、こういう取材経緯で内部証言を得て、証言を裏付ける客観的証拠もそろっていることを伝え、記事にする承諾を得ていきました。
結果的には記事を掲載した日に、最高検察庁が、改ざんした主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕しました。
そんなに早く逮捕するとは思いませんでしたので、寝耳に水でした。ネットなど一部で言われていますが、最高検察庁と朝日新聞はグルで、いろいろ動きを合わせていたということは、まったくありません。
結果的に逮捕にいたったのは、それだけ証言と裏付ける客観証拠をふくめて取材結果の精度が高かったといえると考えています。
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