2009年6月の大統領選挙に伴う騒乱で逮捕されていた政治活動家や学生およそ100人が27日、釈放された。国内各紙が報じた。
また、30日、断食月ラマダンの終了に合わせ、ラリジャニ司法府長官は、国内の収監者およそ1218人の減刑、恩赦を発表し、さらに多くの政治活動家の釈放が期待されている。
国内政治各派はこれらの措置を、体制への国民の信頼回復と、国内に存在する政治的危機の解消に向けた肯定的な一歩として、最高指導者ハメネイ師の決断に感謝と歓迎を示した。
今回の措置は、半年後に控えた国会議員選挙の投票率アップへの布石と見られるが、現在までに改革派の政治グループから選挙への参加表明は行なわれておらず、また、保守派からも、改革派の政治活動や選挙参加を容認する発言は見られない。
一部の改革派政治家は、今回の措置を、一部の改革派に選挙への参加を促すことで改革派各派に分裂をもたらすとともに、次期国会選挙と現体制に合法性を与えるための措置であると評している。
2009年の大統領選挙で、現職のアフマディネジャド大統領の再選という投票結果に異議を唱えた改革派が抗議デモを起こし、暴動に発展した。その後、改革派の政治家や活動家の多くが逮捕、また、改革派の政治活動は非合法とされ、改革派を指導したムサビ元首相やカルビ元国会議長、ハタミ元大統領は依然として当局から追及を受けている。
【佐藤 彰】