◇咸鏡北道茂山郡には「特別打撃隊」を派遣
一方、北朝鮮東北部の咸鏡北道に位置する国境都市の茂山(ムサン)郡には「特別打撃隊」という組織が派遣されていると、現地の取材協力者である安東民(アン・ドンミン)氏が電話で伝えて来ている。
平安南道から派遣されてきたとされるこの部隊は、7月末から駐留しており、やはり脱北や密輸のほう助、そして麻薬の流通に関わる人々を徹底的に調査しているという。
「中国の携帯電話を使って中国や韓国など外国と通話している者も取締りの対象だ。韓国に向かった脱北者の家族や親類などは真っ先に追及され、追放の対象になっている」
と安氏は伝えてきた。
取締り強化のため、国境の河・豆満江を渡って脱北する行為が非常に難しくなっている。
「今月19日には一家4人で中国に逃れようとした家族が捕まった。もみ合う中で8歳の少年が溺死する事件が起きたという。この一家は中国に渡ることをあらかじめ国境警備隊と話をつけていたにもかかわらず、どこからか話が漏れて、河に一歩足を踏み入れた途端、『特別打撃隊』による取締りに遭遇したということだ」
と安氏は言う。
安氏によると、もともと茂山郡にも「暴風軍団」が派遣される予定であったという。しかし先月24日の地方人民会議選挙の際、同じ咸鏡北道の国境都市である会寧(フェリョン)市で金正日総書記を誹謗する落書きが発見されたことから、「暴風軍団」は先に会寧へと向かったと住民たちの間で噂されているとのことだ。
(取材=崔敬玉、安東民、整理=李鎮洙)
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