庶民の食卓を再現してもらった。トウモロコシ飯と、おかずは野菜を味噌であえたもの(右)と、塩(左)ぐらいだという。(2011年3月両江道恵山市 チェ・ギョンオク撮影)
庶民の食卓を再現してもらった。トウモロコシ飯と、おかずは野菜を味噌であえたもの(右)と、塩(左)ぐらいだという。(2011年3月両江道恵山市 チェ・ギョンオク撮影)

 

「コメをトラックに積む仕事をすると、運良く仕事量が多い日には三五〇〇~四〇〇〇ウォンほど稼げる。リヤカーを引いて荷を運ぶ場合、仕事が多い日には二〇〇〇~二五〇〇ウォン程度になる。でも通常の収入は一日一〇〇〇ウォンぐらい」。

毎日食べる食糧を購入すると、お金はほとんど残らないようである。煮炊き暖房用の薪や石炭、石けん、衣類も必要なはずなのだが。病気や怪我をしたり、お金や商品を盗まれるなどのトラブルがあったりすると、たちまち食べるにも困る境遇に転落しそうである。

キム・ドンチョル記者は、一〇年三月に会った時に次のような予測を口にしていた。
「『貨幣交換前』にコメのご飯を食べていた人たちがトウモロコシを食べるようになり、トウモロコシを食べていた人はお粥をすするようになった。それでもそれまで商売を手広くやっていた人はなんとかやり直せるだろうが、ぎりぎりで暮らしていた人はもっと苦しくなるだろう」。

それからおよそ一年後の現在、食べるだけで精一杯のぎりぎりの暮らしをしていた人の中には、住む家を失ったり命を落とす人たちが発生している。
(つづく)
注1 大豆油の絞り滓を固めて乾燥させたものが人造肉で、それにトウモロコシ米を詰め込んだ食べ物。

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