■ なぜパレスチナだったのでしょうか?
古居:たまたまの出会いです。それが他のアフガニスタンであるかイラクであるかは、それはそのときそのときの出会いだと思うんですね。 パレスチナの一番の魅力はそこに暮らす人びとだと思います。日本の昔のような人たちを想像することもあります。
義理人情があって、すごく人間くさいところが好きなんです。 家族のような扱いをしてもらえるし、温かい人間関係に惹かれて通い続けている面もあります。それとあとは、かれら自身がいろんな逆境に対して負けない、何らかのかたちで抵抗したり、立ち上がっていく、そういう力を持っている人たちなので、そのあたりがすごく好きなのかなと思いますね。
■ フォトジャーナリストがスタートだったということですが、前作『ガーダ』に続く今回の『ぼくたちは見た』は映画として2作目になります。映像で伝えようと思った理由は?
古居:最初は写真だけだったんです。いまも写真はすごく好きで、撮り続けています。一方、ビデオはやっぱり音が出る。そういう意味で、パレスチナの人たちって結構、写真におさまりきれないような人たちで、すごく賑やかでもあるし、あるいはいろんな催しとかをするにも必ず歌とか踊りが入ってくる。やっぱりそういったものも含めて彼らの姿を出したかったんですね。
そういう意味ではすごくビデオがいいなぁと思いました。写真だと、24時間かれらが日々をどう生きているか、なかなかそういう生き様までなかなか伝わりにくいんですけど、ビデオだと日常の会話とかも含めて、すごく彼ら自身の姿を伝えることができる。 そういう意味でビデオが魅力だったし、その積み重ねで前回の映画、今篇の映画につながっていったと思います。。(インタビュー2へつづく) インタビュー 1 2 3