「ぼくたちは見た~ガザ・サムニ家の子どもたち」監督・古居みずえインタビュー(2)
(聞き手:アジアプレス・ネットワーク編集部) インタビュー 1 2 3
■ パレスチナ取材を始めて23年ということですが、これまでの変化を見続けてきて、なにか良い変化というのは感じられたでしょうか?
古居:状況的には良くなっていないですね。むしろ悪くなっています。何度か和平のチャンスとかあったんですけども、やはりそれは潰れてきたんですね。今はどういう状態かと言えば、パレスチナ全体が監獄の中のよう。それはガザだけではなくてヨルダン川西岸もそういうふうに言えると思います。あらゆるものが封鎖さている。そのために人の出入りができない、あるいは物が流通しない…出入りするところも1ヶ所か2ヶ所だけ。そういう状況で、本当に監獄のような中でガザの人たちがいるわけです。
ヨルダン川西岸もだんだんとそれに近づいていって、ベルリンの壁のような、それよりも長い壁ができているし、入植地もまだ増え続けている状態です。パレス チナの人たちが、だんだん追い込まれていっている、そのような状況におかれています。だから現地に通っていて、そういう閉塞感をとても感じます。
ただ、今 アラブ自体がすごく、「民主化」と言って良いかどうか分からないですけども、動きがある時代だと思います。その影響はすごくあると思います。だからそれに よって、今後、パレスチナも良い方向に向かうこともあるかもしれません。今後に注目したいと思います。
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